2月26日(木)神奈川県歯科保健総合センターで寝たきり高齢者等訪問歯科診療事業研修会に参加してきました。
演題は「摂食・嚥下障害の診断 開業医でできること、専門医でできること」で、昭和大学歯学部口腔リハビリテーション科教授の高橋浩二先生が講師を務めました。

摂食・嚥下とは食べ物を認識して口に取り込み胃に至るまでの一連の過程を言い、脳血管障害(脳卒中など)による麻痺や認知症、その他の疾患などの後遺症により摂食・嚥下機能が損なわれることを摂食・嚥下障害といいます。
特に障害者や機能衰退期の高齢者は口腔領域のみならず全身状態を加味した歯科治療と介護が必要とされます。そこで口腔機能向上によって、誤嚥性肺炎の予防や全身の栄養状態の改善を目的とした歯科治療や機能訓練は非常に重要になります。
総合病院や大学病院レベルではVE(嚥下内視鏡検査)やVF(嚥下造影検査)、超音波検査などにより誤嚥の有無が判断できますが、開業医レベルでも聴診器を使って頸部聴診をすることにより、咽頭期における嚥下障害を判定することを習得する研修会で、終了後、受講者全員に修了証が渡されました。

高齢者のQOL(生活の質)維持の最大の関心ごとは『食べる』ことであり、このような研修会を通じていつまでもおいしく食べることのお手伝いを継続的に関与していきたいと思いました。
誤嚥性肺炎とは
肺炎にかかる人は多く、日本人の死因の上位にあり、肺炎で死亡する人の90%以上が高齢者です。
口の中には多種多様の細菌があるのですが、高齢者に多く見られるいわゆる病気や加齢により飲み込む機能や
咳をする力が減退すると、口の中の細菌や食物、逆流した胃液が誤って気管に入りやすくなります。その結果
発症するのが誤嚥性肺炎です。
通常食物が喉に入ると反射的に気管はふさがれます。ところが、老化などによりこの反射が衰えると、気管がふさがれないために中に細菌や食物が進入して、死に至ることもある疾患です。
頸部聴診法とは
食塊を嚥下する際に咽頭部で生じる嚥下音ならびに嚥下前後の呼吸音を頸部より聴診し、嚥下音の性状や長さおよび呼吸音の性状や発生するタイミングを聴取して主に咽頭期における嚥下障害を判定する方法。